紅茶の等級

ゴールデンチップは香り味ともにごく淡く、紅茶としての特徴はみられません。

 ゴールデンチップと紅茶の等級
お茶を淹れてもらったのだが、何だか埃のようなものが浮いているという経験をしたことはありませんか。じつはこれは若葉の裏に生えている産毛なのです。この白く細かい産毛のことを毛茸(もうじ)と言い、葉が成長するにしたがって脱落してゆきます。毛茸の密生した白い芯芽を中国の福建語で「白亳」(パイオウ)と言い、ペコー(Pekoe)の語源になったとも言われています。また紅茶の等級(形状とサイズのこと)の表示にオレンジ・ペコー(Orange Pekoe)がありますが、このオレンジは単に水色がオレンジ色に見えることから名づけられたという説と中国から輸入したお茶をヨーロッパに広めたのはオランダ人であり、オランダのオランジナソー宮殿にちなんでオレンジと名づけたという説もあります。

白毫銀芯(はくごうぎんしん)
中国茶の中には非常に長い毛茸が密生して生えていて、白く見えるお茶があり珍重されています。代表的なものに、中国の福建省特産の大白種という茶樹から作られる白茶の高級品で白毫銀芯(はくごうぎんしん)があります。一時は幻のお茶と言われた高価なお茶です。芯芽の部分のみで作られ、釜炒りも揉捻もしない独特の製法により毛茸の脱落を防ぎ、白く細長い針のような美しい形を保つよう製造されます。抽出液の香り味ともにごく淡く、飲むお茶というより見て楽しむお茶であり、ガラスコップに一つまみ入れ、上から熱湯を注いで茶葉がジャンピングする様子を観賞するためのお茶です。

ゴールデンチップス
紅茶の方では、芯芽のことをチップと呼び、白く光っているものをシルバーチップと呼びます。またこのチップが紅茶液で染まり金色に光っているものをゴールデンチップと言い、これだけを集めた紅茶をゴールデンチップスと言います。スリランカの低地産地帯でごくわずか作られ、アラブの上流階級が成長点信仰により強壮剤的感覚で珍重しています。生産が限られ非常に高額であり、抽出液の香り味ともにごく淡く、シルバーチップス同様、紅茶としての特徴がみられないために一般市場にはあまり出回りません。

紅茶の等級
紅茶の等級の表示でFTGFOP(ファイネスト・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)やSFTGFOP(スペシャル・ファイネスト・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)というものがあります。特に北インド産の製品に見られます。ゴールデンチップの多いものほど品質が高いとアピールされ、香り、味が良いかのような印象を与えます。またそれらは非常に高い価格が付けられています。ゴールデンチップの美しい色、良く締まった形の美しさは確かにあるでしょう。しかしゴールデンチップ自体は香り味ともにごく淡く、紅茶としての特徴がみられないものなのです。しかもS、F、T、Gといった形容詞には厳密な基準はなく、単に製造者の感性で茶葉の外観形状を表したものであり、紅茶本来の品質である香りや味を保証するものではありません。
 
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