日本の水は水道水を含めて軟水ですので、紅茶の風味を引き立ててくれます。

 紅茶を美味しく淹れるには、汲みたての空気をたくさん含んだ新鮮な水道水を使い、カルキ臭を飛ばすため、2〜3分沸騰させます。沸騰したらやかんの蓋を外すとカルキ臭は早く抜けるようです。一方、沸騰させすぎも問題で、水中の空気まで飛んでしまいます。目安としては直径2〜3cm程の泡がボコボコでてきた時が良いでしょう。2度沸かしのお湯は、沸騰した後、冷める段階で次第に空気を失います。カルキ臭の特に強い水については浄水器を取り付けるなどの工夫をするとよいでしょう。空気をたくさん含んだ充分沸騰した熱湯で紅茶を淹れてこそ、茶葉のジャンピングが活発になり、香りの立つすっきりとした味わいの紅茶が楽しめるのです。
 ミネラルウォーターを使う場合は注意が必要です。水の中のカルシウムとマグネシウムの量を硬度といい、硬度の高い水が硬水、低い水が軟水です。硬度の高いミネラルウォーターは紅茶に適しているとはいえません。輸入物のミネラルウォーターは硬水が多く、国産物はほとんどが軟水です。硬水では、カルシウムやマグネシウムのイオンが紅茶に含まれているカテキンと結合して不溶化し、味や香りの浸出を妨げ、茶葉が本来持っている風味を充分引き出すことが出来ないのです。ミネラルウォーターを使うなら輸入物より国産物の方がよく、軽く振って空気を含ませてから使ってください。
 日本の水は水道水を含めて軟水ですので、紅茶の風味を引き立ててくれます。どんなに高価な紅茶でも、水が適していなければ本領を発揮できません。

ジャンピング
茶葉がティーポットの中で熱対流により上下に動くことをいいます。空気をたくさん含んだ熱湯で紅茶を淹れたときに起こります。沸騰していない湯を注ぐと、茶葉は上に浮いてしまい、沸かしすぎの湯を注ぐと、茶葉は下に沈んでしまいます。丸く膨らんだ形のティーポットの方がジャンピングが起こりやすいでしょう。